たぶん個人的な詩情

本や映画の感想、TRPGとか。

たぶん個人的な詩情

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読書:リチャード・マシスン『奇術師の密室』――究極の傍観者は何を見たのか。

リチャード・マシスンと言うと、私にとっては『地球最後の男』や『縮みゆく男』を書いた小説家であり、例に漏れずどうしてもホラーやSFのイメージが強いんですよね。あの『ナイトランド』でも追悼企画が組まれていたことですし。 ナイトランド(vol.7)…

【映画感想】『コンスタンティン』――天使と悪魔とキアヌ・リーブス。厨二病患者は見逃すべからずアクション映画。

今週のお題は「最近見た映画」とのことなので、今回は昨日アマプラで見たキアヌ・リーヴス主演の厨二病御用達アクション映画、『コンスタンティン』の感想をば書いていきたいと思います。 本作が公開されたのは2005年。子供ながら(だからこそ?)に格好いい…

【読書感想】瀬川ことび『お葬式』――恐怖と笑いは紙一重。可笑しみに溢れたホラー短編集。

笑いと恐怖の境界線は、思いのほか曖昧なのではないだろうか。そんな思い付きを裏付けるかのように、よくよく考えてみれば不思議で恐怖を伴う光景であるはずなのに、思わず笑みがこぼれてしまう、なんて状況はそう珍しいことではない。 もしかするとそれは、…

【映画感想】『天使の処刑人 バイオレット&デイジー』――少女から大人へ。人として人を殺すと言うこと。

創作にばかり触れていると、つい人の命の重さを忘れそうになる時がある。主人公の放った銃弾に倒れる敵。天変地異に巻き込まれ、数字で処理されてしまう被災者。ファーストネームだけが設定され、早々に退場する仲間A……。 映画においては端役に過ぎない役割…

読書:『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。』――今の自分を認めてあげたくなる一冊。

この本のタイトルを始めて見かけた時のことを未だに覚えている。それは確か、本屋で平置きの本を眺めている時のことだった。 感じたのは、鈍器で頭を殴られたかのような衝撃と、ある種の嫉妬。誠におこがましいことだが、文章を生業にしたいと一度でも考えて…

【ミリシタ】今さらながらの3周年イベント/CHALLENGE FOR GLOW-RY D@YS!!! 感想&ガシャ結果

遅ればせながら、ミリシタ3周年おめでとうございます。並びに、イベント走った方はお疲れさまでした。やり遂げた方も、悔いの残る方もいるとは思いますが、ひとまずは羽を休めることにしましょう。 ……なんて書き始めたのも今は昔、あれからもう数ヶ月経って…

読書:水生大海『少女たちの羅針盤』――演劇にかけた青春。そして少女の死。

青春の一ページが輝いて見えるのはどうしてだろうか。失われた過去として、未体験の憧れとして、手の届かなかった理想として。人それぞれ捉え方の違いはあれど、そこには今ここにないものとしての青春が反映されている。故に私たちの思い描く青春は、どうし…

【読書感想】菅谷明子『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』――「知」のインフラとしての図書館。そのあるべき姿。

はじめに このご時世と言うこともあって、図書館に行く頻度がめっきり減った。自分事で恐縮ではあるが、ここ最近で言えば、必要に駆られて国会図書館並びに都立中央図書館に足を運んだくらいだと思う。 行くことになるまで知らなかったが、最近ではコロナ対…