たぶん個人的な詩情

本や映画の感想、TRPGとか。

たぶん個人的な詩情

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【読書感想】『サメ映画大全』――これを読まずしてサメ映画は語れない。歴代サメ映画を網羅した評論本。カタログとしても重宝する素敵な一冊。【サメ企画④】

はじめに 現在当ブログでは「サメ企画」という企画を行っておりまして、こちらは月に一本、サメに関する映画や本などの感想を書いて行こう、というものになっています。 bine-tsu.com 詳しくは上記のブログを見ていただくとして、こちらの企画、実は7月分か…

【雑記】近況報告とか。新型コロさんに嗅覚を奪われながら、いまキーボードを打っています。

はじめに タイトル通り、新型コロさんに罹りました。人生初の罹患。この3年間、毎度それらしい徴候があるたびに抗原検査キットを持ち出しては陰性の結果を前にし、抗原検査なんて無意味なのでは、と思っていたりしましたが、罹っていればちゃんと二本の線が…

【漫画感想】『サメゾン サメとゾンビとなんでも屋①』――日本縦断を目指す少年と少女に襲いかかるはご当地サメゾンビ!?なノンストップギャグ漫画【サメ企画③】

はじめに 今や月末にサメ関連の感想を書くだけのブログになっていることに一抹の不安を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。 私は何とか元気にやっていますが、どうにもパソコンに向かう時間が取れず、このような更新頻度となっております。時…

【映画感想】『シャーコーン!/呪いのモロコシ鮫』――トウモロコシ畑に潜むサメと謎のカルト教団の暗躍。紛れもないZ級だが見所はある正統派ホラー風サメ映画【サメ企画②】

はじめに ここ最近ブログを書く手が止まっていまして、その理由については前回の記事を読んでみて欲しいんですが(大した理由ではない)、そもそもの話、あくまで趣味のブログである以上、無理して更新などする必要はぶっちゃけないんですよね。 bine-tsu.co…

【雑記】ひと月遅れの新生活とニート脱出。更新遅れの言い訳、あるいは次の記事へのクッションクッション。

はじめに。見栄えのための見出し。おわりはない 今年に入り、自分なりにはコンスタントに更新の続けられていたこのブログではありましたが、見ての通り、5月に入ってからは一つも記事を書けていない有様です。 というのも、5月からはここしばらく続けてき…

【映画感想】『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』――空の密室に取り残された二人の運命やいかに。コミカルな邦題に反し中身は硬派なパニックスリラー。

あらすじ 友人の結婚式に出席するため、サラはインド洋に浮かぶ島国・モーリシャスを訪れた。そこで再会したのは、かつてこの島で気まずい別れ方をした元恋人のジャクソン。互いへの想いを秘めながら、関係を修復できずに結婚式の舞台となる島へと向かう二人…

【読書感想】スティーヴ・オルテン『メガロドン』――マリアナ海溝より蘇るは海洋史上最強の頂点捕食者。サメ小説界の『ジョーズ』(と言えるほどには面白い)。【サメ企画①】

はじめに いよいよ始まってしまったひと月一本感謝の「サメ」感想企画。詳細は下記の記事で確認いただくとして、言ってしまえば月一ペースで一年間、計十二本、サメにまつわる作品の感想を書いて行こうという企画になります。 bine-tsu.com そんな記念すべき…

【告知】ひと月一本、感謝のサメ感想投稿企画開催【サメ企画】

はじめに ここ最近、自分にしては意識の高い(?)作品の感想ばかり書いておりまして*1、その甲斐あってか、ありがたいことに先日、はてなブログのトップ、「きょうのはてなブログ」にこちらの記事が掲載されました。 bine-tsu.com その結果、普段からは考え…

【読書感想】いしかわゆき『書く習慣』――好きになれば書く習慣は身に付く。書くことの初心を思い出させてくれる一冊。

はじめに このブログを始めてから気付けば四年もの月日が経ちました。あと半月ほどすればめでたく五年。五歳が十歳、十五歳が二十歳、二十五歳が三十歳になってしまう年月と書けばこれが如何に重いものなのか実感できますね。 しかも私にとってはこれが初め…

【映画感想】『あまくない砂糖の話』――砂糖は人間をどう変えるのか。監督自ら体当たりで挑む食育ドキュメンタリー。

はじめに はてなブログの「今週のお題」は「あまい」ということで、始めに自分語りをさせていただきますと、私は甘いものが大好きです。ファミレスに行くと頼む頼まざるとに関わらず後ろのページに目を通してしまいますし、マックスコーヒーとドクターペッパ…

【読書感想】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』――デジタル社会に取り残された脳髄。人類はスマホに適応できたのか。

はじめに スマホに人類の脳の進化は追いついているのか。本書が全編を通して投げかけている疑問はまさしくこれだ。「スマホ脳」と言うタイトルから、私はてっきりスマホを中心としたデジタル社会の誕生によって、使用者の脳はどのように変化してきたか、そし…

【読書感想】ラング・ルイス『友だち殺し』――犯人は友人グループの中に。ほろ苦い青春小説風味のホワイダニットの佳作。

あらすじ 大学の医学部長秘書の職に就いたケイトは、前任者のガーネットが突如職を辞し大学を後にしたことを知る。若く美人であった人気者のガーネット。彼女が一言もなく姿を消した事実は、友人たちに少なからぬ衝撃を与えていた。駆け落ちしたとの心無い噂…

【映画感想】『空飛ぶ翼蛇』――怪蛇・ケツァルコアトルによる不可解な死に挑むミステリ作家。倒叙ミステリチックな珍作。

はじめに 恐竜と同じ時代を生きた空飛ぶ爬虫類、翼竜。恐竜といえばティラノサウルスであるように、多くの人が翼竜から連想するのは、長いトサカが特徴的なプテラノドンだと思われます。数々のフィクションにおいてその姿を見せてきたこの翼竜に、知名度の点…

【雑記】一か月以上更新のないブログに表示される系近況報告。ポケモンとかウマ娘とかを遊んでました。

はじめに あけましておめでとうございます。いつの間にやら年も明け、新年がさらっと始まっていたわけですが、実は一か月以上ブログの更新をさぼっていました。しれっと新しい記事を更新してリスタートしても良かったんですが、そこは新年という節目に合わせ…

【読書感想】『五つの星が列なる時』――儀式を思わせる連続殺人の目的とは。錬金術と占星術に基づく犯行とニュートンの過去が錯綜するサスペンスミステリ。

はじめに 本にしても映画にしても、まったく知らない作品と出会った時には取り合えずアマゾンで評価を覗いてしまうことがあります。レビューの星が多ければ腰を据えて挑むことができますし、少なければ肩の力を抜いて流せるわけです。 人によっては星の少な…

【読書感想】『黒いピラミッド』――呪いのアンクと黒い金字塔。呪いを解くべく赴くは始まりの地エジプト。

はじめに いつか「かつて存在した日本ホラー小説大賞」、などとわざわざ書かれてしまう時代が来るのかも知れない。既にこの賞がなくなって4年も経つことにふと思い至り、思わずそんなことを考えてしまった*1。 改めて歴代の受賞者を見てみると、まさに錚々…

【読書感想】『黄金の世界史』――金の移動と権力の移行についての見取り図。受験世界史の理解を深めるのにも役立つ一冊。

はじめに はてなブログの今週のお題は「最近おもしろかった本」とのこと。ちょうど最近読んだ本の感想を書こうと思っていた矢先に今週のお題がこれだったので、今回は便乗して今週のお題兼読書感想にしたいと思います。 感想を書いて行くのは講談社学術文庫…

【読書感想】『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』―― 指摘は納得。ただし本書の教えが活きる場所は教育現場に限られる気も。

はじめに 余程自分に自信があるか、他人に興味がないか、そもそも「正しさ」なんてものを信じていない人でもない限り、本読みと呼ばれる人は一度ならず自分自身の「読み」に不安を感じたことがあると思う。 それは小説しか読まない人であっても例外ではなく…

【映画感想】『ディアルガVSパルキアVSダークライ』――街を想うヒロインとダークライ。少女漫画的三角形。

はじめに 前回、前々回に引き続き、今回も25周年ポケモン映画祭より『ディアルガVSパルキアVSダークライ』の感想です。実は再上映後すぐ観に行ってはいたんですが、更新は伸びに伸び今に至る体たらく。 bine-tsu.com bine-tsu.com 言い訳をさせてもらうと、…

【映画感想】『七夜の願い星 ジラーチ』――出会いと別れ。少年の成長とロードムービーに愛を添えて。

はじめに 先日に引き続き25周年ポケモン映画祭に行ってきました。今回は『ルビー・サファイア』の幻のポケモン、ジラーチをフィーチャーした『七夜の願い星』の感想です。 bine-tsu.com 観に行ったのはゴジラがそびえることでお馴染みのTOHOシネマズ新宿。…

【映画感想】『水の都の護神 ラティアスとラティオス』―― 美しい街、ひと夏の思い出。ボーイ・ミーツ・ガールを描き切った傑作。

はじめに 暑さとせつなさと忙しさとにやられ、先月はなんと一つも記事を更新していないという体たらく。ここ最近も体調不良が続いていたりと状況はあまり良くないんですが、夏はポケモンということで「25周年ポケモン映画祭」に行ってきました。 www.pokemon…

【読書感想】森真沙子『転校生』―少し不思議な学園ホラー短編集。転校生が出くわす恐怖と百合と切なさと。

はじめに 私事ではありますが、生まれてこの方、転校を経験したことがありません。これが幸だと感じるのは、転校未経験による怖さ故か、あるいは幼少期より母から転勤族の苦労を聞かされてきたからか。何にせよ、転校が大変であることは間違いないでしょう。…

【映画感想】『エクスクロス 魔境伝説』―― 寒村を訪れた女子大生に迫る魔の手。ホラーの皮を被ったガールズアクションの怪作。

はじめに ここのところジェネレーションギャップを感じる機会が頓に増えた。先日もYoutube か何かのコメント欄で「『絶対防衛レヴィアタン』*1の頃から早見沙織さんを知ってるけど」との少々香ばしいコメントを見かけた。 絶対防衛レヴィアタン 第1巻(初回限…

【映画感想】『犬鳴村』――『呪怨』の監督が都市伝説を映画化。犬鳴村にまつわる血の物語。これは果たしてホラーかあるいは……。

はじめに 下記の記事でも触れていますが、実は国産のホラーに耐性がなく、これまでほとんど読んだり見たりしたことがありません。『リング』のようなフィクショナルな作品ならまだ良いんですが、実録系のやつはもう苦手も苦手。実際の心霊スポットなんかに行…

【映画感想】『必殺!恐竜神父』――「恐竜の力を得た神父が悪のニンジャ軍団と戦うアクション映画」の皮を被ったコメディ映画。

あらすじ 神父として神に仕えてきたダグ・ジョーンズは、不幸にも目の前で両親を自動車事故で失ってしまう。失意の中、同僚の勧めで旅へと出た彼は、神に見放された地・中国にて忍者に追跡されていた女性と出会い、彼女から爪の化石を託される。 その化石で…

【読書感想】『ポー殺人事件』――皮を剥がれた二つの首無し死体の謎。鍵を握るのは被害者が残した人皮装丁本――。

はじめに 世界一有名な探偵とは誰か。個人的な好みを抜きにするならば、この問いに対して多くの方がシャーロック・ホームズと答えるのではないでしょうか。それを裏付けるかのように、名探偵の代名詞である彼をオマージュした作品やパスティーシュ、パロディ…

【読書感想】柳田理科雄『スター・ウォーズ 空想科学読本』――スター・デストロイヤーを作るのに必要な材料は地球の〇〇年分!?独自のツッコミがはるか彼方の銀河系に迫る!

はじめに ここのところ、『スター・ウォーズ』のキャスト関連の記事をよく目にする。具体的には新三部作でオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーと、アナキン・スカイウォーカーを演じたヘイデン・クリステンセンにまつわる記事だ。 theriver.jp w…

【読書感想】マルセル・F・ラントーム『騙し絵』――警官監視のもと盗まれたダイヤモンドの謎。二次大戦中、捕虜収容所で書き上げられたフランス産本格ミステリ。

はじめに 気付けば前回の更新から2ヶ月ほど更新が途絶えていたこのブログ。Twitterの更新もほぼ止まり、周りからすれば生きているのか死んでいるのか分からないような有様でしたが、実際は特に何事もなく、健康このうえなく日々の生活を送っていました。 で…

【読書感想】『他人が幸せに見えたら深夜の松屋で牛丼を食え』――ためになるかはその人次第。酒場で語られるしくじり教訓集。

はじめに 最近は世情のこともあってかどうも外に出ることに慎重で、必要のない限りは外出をしないようになってしまいました。元々アウトドア志向の人間ではないため特段困ってはいないのですが、それでも影響がないわけではありません。 観たいと思った映画…

【読書感想】『暗黒神話体系クトゥルー3』――ラヴクラフト以前以後、玉石混交の作品集。「カルコサの住民」「黄の印」「暗黒のファラオの神殿」……。

はじめに いつの間にか新年を迎えてしまった今日この頃、皆さんは如何お過ごしでしょうか。自分などは文字通り寝正月と言った有様で、あまり正月らしいことは出来ておらず、やっていたことと言えば本を読むことぐらい。 しかも別に冬や正月にちなんだ本でも…