たぶん個人的な詩情

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【雑記】私の思う名作映画3選。

はじめに

今週のお題は「名作」。こちらのお題について、はてなブログ公式の記事から引用してみると、

連休で時間がたくさんある方も多いはず。そんなときにチェックしておきたい、映画や本、音楽などの「名作」を思い出しておきませんか? 名作を知っておくことは、新しいことを知るための助けにもなるはずですよね。今週は「名作」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「何度読んでも最高なあの本」「初めて北野武の映画を見たら名作だった」「◯◯さんのあのブログが忘れられない」など、あなたの「名作」にまつわることを、はてなブログに書いて投稿してください! ご応募をお待ちしております。

とのことらしいです。「名作にまつわること」であれば良さそうなので、今回は私がこのお題を見て頭に浮かんだ「名作」映画を紹介していきます。

名作とは何か

さて、名作の紹介をしていきたいわけですが、その前にそもそも名作とはなんでしょうか。ネットの辞書で調べてみると「すぐれた作品。名高い作品」とのこと。ただ、何をもって優れているのかは判断が難しいですし、名高ければ名作かと言うと、一概にそう言うわけでもありません。

ここでは、私の頭に浮かんだ「名作」の紹介の前に、私にとっての名作の条件について書いておこうと思います。こちらもいくつか思い浮かびましたが、ぱっとまとまりのある3つを挙げるならばこのような感じでしょうか。

  • 余韻が残ること
  • 語り尽せないこと
  • 歴史の評価に耐えていること

この他にも、印象的な音楽や名優の存在、忘れられない名シーンがあるかどうかなど、挙げれば切りがないと思いますが、ここではこの3つを名作の条件として語っていきたいと思います。

余韻が残ること

まず、名作を名作足らしめているのは、作品を見た者に「何か」が残ることだと思っています。これは「何か」としか言いようのないもので、作品によって異なりますし、人によっても異なるでしょう。

場合によっては、見た直後には何も感じていないこともあります。ただ、歳を重ねていく中でふと思い出し、時間差で余韻を残していく。そんなこともあります。あれはいい作品だったなあ、みたいに。人によっては「重み」と表現する項目かも知れません。

語りつくせないこと

このブログで感想を書いた作品の中に、名作と呼ばれるものはほとんどありません。何故かといえば、感想を書くのが難しいから。B級映画の類は、善し悪しがはっきりしているので、愚痴るにしても褒めるにしてもやりやすい。

対して、名作の類は本当に感想が書き辛いんですよね。良い映画だと思っても、何が面白いと思ったのか、何が良いと思ったのかが、自分の感情のはずなのに上手く言語化できないわけです。

言語化するのに時間や労力がかかるため、どうしても先延ばしにしてしまい、結局感想を書き切らずに放置してしまう、なんてことはざら。今回は名作3選に挙げませんでしたが、キューブリックの『2001年宇宙の旅』なんかはまさに語り尽くせない映画の代表格でしょう。

歴史の評価に耐えていること

名作という評価を得るために避けては通れないのが、時を経ても評価され続けることだと私は思います。個人の好き嫌いという主観ではなく、評価という客観的な指標がされ続けることで、名作のイメージが醸成される。

1年、2年だとまだ一過性の評価かも知れない。数十年単位で残って初めて、名作足りえるのではないか。もちろん、公開と同時に「名作」と評される作品は数多くありますが、絶えず作品が生み出され続ける現代だからこそ、やはり歴史の重みが必要なのではないかと思ってしまいます。

名作映画3選

以下、順不同で公開年の古い順に紹介していきます。他にも思いついた映画はあるんですが、少しありきたりだと思うものも多く、逆張り感は否めないかも知れません。とは言え名作であることに変わりはない3選ではあると思います。

第三の男 (1949)

名作という言葉を見て、ふと思いついたのは『第三の男』。キャロル・リード監督、グレアム・グリーン脚本、ジョゼフ・コットンオーソン・ウェルズ出演。

NHKの番組に『サラメシ』という「働く人のランチ」をフィーチャーした番組があるんですが、この番組内でアントン・カラスのあの音楽が流れることがあるんですよね。今となってはヱビスビールの印象があり、私も元々そのイメージだったわけですが、今となってはこの名作映画が頭をよぎってしまいます。

名作であるからには、様々な点で優れていることは言わずもがな。ただしこの映画について好きな点を一つ挙げるとしたら、やはりラストシーンをおいて他にないでしょう。

あのほろ苦さがもたらす余韻は、未だに私の中に残り続けています。

野良犬(1949)

日本映画はほとんど観たことがなく、父親の影響で少し黒澤映画を観たことがあるくらいの私。そんな私が観た中で、名作と言うイメージに最も近いのは『野良犬』です。

拳銃を紛失した刑事が犯人を追うサスペンスである本作、黒澤の現代劇としては、同ジャンルでも『天国と地獄』などの方が評価も高い印象があるのですが、個人的には『野良犬』に軍配が上がります。

あの印象的なラストシーン。向き合う二人。ピアノの音楽と子供の歌う蝶々。終始漂う重みと、見終わった時の余韻。思い出すだけで良い映画だったなあ、としみじみとしてしまいます。やはり、自分にとっての名作は『野良犬』です。

地獄の黙示録(1979)

私がオールタイムベストを選ぶとしたら、絶対に候補に挙がるのがフランシス・コッポラの『地獄の黙示録』です。以前『地獄の黙示録』を観に行った話はブログでも書いたことがあるんですが、その時に書いたこの映画の好きなところは4年経った今も未だ変わっていません。同じことを書くのもあれなので、過去記事より引用してみます。

もう初っ端のプロペラ音だけで大興奮。ドアーズの「ジ・エンド」をバックに燃やされるジャングル、これがめちゃくちゃ良いんですよね。

そしてブラインド越しにウィラードが呟く“Saigon, shit, I'm still only in Saigon.”がもうたまらない。これを聞くと体が勝手に『地獄の黙示録』にギアを合わせちゃうわけなんですが、ここのマーティン・シーンの声がめちゃくちゃ好きだったりします。なんでかは分からないんですが、好きなんですよね。

世間的にはワルキューレの騎行とキルゴア中佐が話題となりがちですが、個人的にはオープニングがあの映画を名作にしています。

おわりに

以上、ふと思いついた私の思う名作映画3選でした。こう書いてみると、印象的な音楽が作品と密接に繋がっていることを実感します。あの音楽を聞くとあのシーンを思い出し、映画の余韻がフラッシュバックする。もしかすると、名作の要件として、名曲の存在を挙げてもいいのかもしれません。

あとは自分の場合、どうしてもエンタメ寄りの作品よりかは暗めで重い作品が名作認定されがちな傾向も見て取れますね。まあ暗めの作品の方が余韻は残り勝ちなのは確か。似た理由で感動モノの作品も名作扱いされやすい気はするものの、自分があまりその手の映画を観ないのでこうなってしまうという。

途中でも書いた通り、名作の類は感想が書きにくいので語る場を失いがちなので、今回はその手の作品について書けて楽しかったです。こんな形の紹介なら、気軽に書きやすいですし、今後もこのような記事はやっていく、かも。

では今回はこの辺で。ではでは。