はじめに
アマプラに入っている方ならご存じだろうが、プライムビデオには中々にマニアックな古い映画が入っている。恐らくは版権フリーの作品に安っぽい字幕を付けたDVDなどから引っ張って来た作品たちなのだろう。
一作試しに覗いてみると、そこには関連作品として白黒サムネイルの一群が並んでいるのを目にすることとなる。中には私でも知っている有名作品も混じっていたりするのだが、多くはこのサブスクに入っていなければ知ることもなかったであろう作品たちばかりだ。
そして、これらマニアック映画群のレビューの点数は思いのほか当てになる。きっとこの手の映画を見る人の感性と言うものが似通っているからなのだろう。
ちなみに、星3つですら個人的には楽しめるラインだったりするのに、今回感想を書いて行く映画の星の数は4つ。これは期待をせざるを得ない。という訳で、今回は偶然巡り合った映画『デス・プラン 呪いの地図』の感想を書いて行きたいと思う。
あらすじ
一族経営の百貨店の社長であるロバート・クラフトは、一族の役目として、街の墓地の管理人を引き受けることとなる。
乗り気でないロバートは、新たな墓地購入者が現れた際に、購入者がいることを示す白ピンの代わりに、埋葬済みを示す黒ピンを刺してしまう。
本来ならただのミスで終わるはずの行為。しかし、黒ピンを刺した墓地の購入者が交通事故で死んでしまったことから、ロバートは地図のピンと持ち主の死の因果関係を疑い始め…。
感想
邦題の安っぽさに騙されることなかれ
邦題の安っぽさに反して中身は硬派なホラー映画。邦題は恐らく、日本版DVD発売の際に漫画『デスノート』にあやかって付けられたものなのだろうが、本来ならそんな小細工とは無縁であるべき佳品である。
実際、インターネット情報ではあるが、かのスティーヴン・キングも本作を評価しているようで、この作品にインスピレーションを受けて書かれた作品もあるようだ。
一部気になる点は確かにあるのだが、それを抜きにしても本作は面白い。
脚本が面白いのはもちろんだが、カメラワークに映像の色調、使われている音楽の雰囲気も良い。また、本作で重要な役割を果たす地図のデザインは秀逸の一言。
地図を引きで撮ったカットからは、近代アートかのような趣きすら感じてしまうし、作中で何度も繰り返されるピン刺しの様子が格好良く絵になるのも、この小道具の魅力あってこそだろう。
そして見逃せないのは役者陣の好演。特に、立て続けに起こる死に対して苦悩と責任を感じ始める主人公、ロバート・クラフトを演じるリチャード・ブーンの演技が、本作のクオリティを支えているのは間違いない。
白黒の映像による雰囲気にやられているのかもしれないが、それを抜きにしても、この時代の役者はしっかりとしている印象を受ける。存在感という言葉で括る浅さが許されるのならば、彼らには存在感があるのだ。
また、非現実的な恐怖が映像化されていない点も、この映画を今でも観るに堪えるものにしている。さらに、死の原因の究明と言うミステリー要素が軸になっているのも面白さのポイントだろう。
ホラーであると同時に、人間ドラマや謎解きミステリーと言う複数のジャンルに跨っていることが、この映画を今見ても面白い、魅力ある作品に仕上げているのだ。
おわりに
核心に触れることを恐れるあまり、いつになく短めの感想になってしまった。しかしこの映画が面白いことは間違いなし。アマプラで配信されているのはもちろん、版権がフリーとなっているためか、Youtubeなどでも観ることができる。
語学に堪能な人であれば、そちらで観てみるのも良いかも知れない。
ちなみに、観たのが大分前なので印象論でしかないのだが、本作から何となくヒッチコックの『白い恐怖』を思い出した。
ヒッチコックの中では少しマイナー寄りだとは思うのだが、個人的には結構好きな映画で、こちらも現在アマプラで観ることができる。興味があれば是非。
なお、原作小説はハヤカワ・ポケット・ミステリより翻訳が出ていたりする。ストーリーは映画とは似て非なるもの。要所要所に面白くなりそうな要素はあるものの、総じて面白くはない作品となっている。
興味本位で読むのは構わないが、お勧めは絶対にしない。と、最後は別作品の話をぶっこんだところで、今回はこの辺で。ではでは。
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