たぶん個人的な詩情

本や映画の感想、TRPGとか。

たぶん個人的な詩情

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【映画感想】『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』――世界的兄弟が世界を救う! 目で楽しい耳でも楽しい痛快娯楽大作。

はじめに 実は三十云年の人生において、任天堂の作品、とりわけマリオシリーズには縁遠い人生を送ってきました。同じ境遇の方なら知っての通り、親がゲームをするわけでもなく兄弟もいない一人っ子環境では、自ずと遊べるゲームの数には限りがあります。 ス…

【読書感想】『江戸文化から見る 男娼と男色の歴史』――春をひさぐ男娼「陰間」の栄光と衰退。時代劇に描かれなくとも、確かに存在した日本の歴史。

はじめに 目から鱗の落ちる音を聞いたことはないけれど、もしそんな音が聞けたとしたら、きっと小学校時代の社会の授業で私はその音を聞いただろう。 白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき 知っての通り、これは松平定信による寛政の改革の厳…

【映画感想】『七人の侍』――なぜ百姓は勝ち、侍は負けたのか。語るまでもない大衆娯楽の最高傑作。

はじめに 父の影響で黒澤明の映画を観て来たことは、折に触れてこのブログでも書いてきた。黒澤映画は、私が唯一観て来た日本映画だと言っても良い。とは言え、観て来たとは言っても作品の偏りは大いにあり、父お気に入りの『用心棒』などは少なく見積もって…

【読書感想】『ウロボロスの古写本』――母を誘拐されたミアは原因である謎の写本の秘密に近づいていき…。中東を舞台に繰り広げられるアクション小説。

はじめに 趣味を尋ねられた時の返答は決まっている。読書と映画感想だ。無趣味の代名詞のような二つだが、実際に趣味なのだから仕方がない。それに、最近知名度が上がってきているとは言え、TRPGを知らない人に、一からゲームについて説明をするのは面倒だ。…

【映画感想】『神様の言うとおり』――不条理系デスゲームの果てに神の子となるのは誰か。福士と神木とビー玉から目が離せない怪作。

はじめに 十人十色。 この四字熟語を知ったのは中学時代。出会いは、当時通っていた塾の階段。貼られていた塾のチラシに、この言葉が載っていた。教科単位で教える個別指導塾だったこともあり、最初は塾の造語かとすら思っていて、読み方も知らなかった。「…

【読書感想】雪富千晶紀『ブルシャーク』――富士山麓にシャーク鳴く。トライアスロン開催が迫る中、巨大ザメが湖に潜むとの情報が・・・。【サメ企画⑥】

はじめに 夏と言えばサメ。サメと言えば夏。サメは冬の季語のようですが、これは恐らく食材としてのサメ由来なのでしょう。やはり、サメが人を襲うフィクションにおいて、海水浴場とサメの組み合わせに勝るものはありません。 それもこれも、すべては『ジョ…

【映画感想】『プラネット・オブ・ピッグ 豚の惑星』――人類と豚の立場が逆転した近未来。豚人間に支配された人類の命運は、一人の男に託された。

はじめに 久しぶりにゴテゴテのB級映画を観た。思えば子供の時分、B級映画はある意味で高嶺の花だった。これらの映画は、レンタルビデオショップに並んだとしても、旧作落ちする前に店の棚から消えていく*1。 新作や準新作を何作も借りられるほど、お金に…

【読書感想】『恐怖の誕生パーティ』――偽りに彩られた夫の過去を知った時、幸せな結婚生活が崩れ始める。ヒトコワ系サスペンスホラー。

はじめに 先日のある日のこと、たまたま寄ったブックオフにて、以前より気になっていた小説を発見しました。しかも100円で。 どこでその存在を知ったのかは覚えていないものの、認知して以来、アマゾンの欲しいものリストに突っ込み、頭の片隅に残っていた本…