たぶん個人的な詩情

本や映画の感想、TRPGとか。

たぶん個人的な詩情

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読書-新書

【読書感想】『古代オリエントの宗教』――膨張する聖書ストーリーと土着の宗教の対抗。対立軸をもとに俯瞰する古代の宗教概説。

はじめに 本読みの特技の一つに、初めて見る本棚を前にしても、数あるタイトルの中から自分好みのキーワードを見逃さない、というものがあると思っています。 もちろん、人それぞれティンと来る言葉は異なるわけですが、私が目をやってしまうキーワードは「…

【読書感想】梅棹忠夫『知的生産の技術』――ご存知京大式カード紹介の書。実践的な技術から見えてくる普遍的な方法論は未だ現役。

はじめに 新年一発目の感想記事は、これからの一年を方向付けるものにしたいとの思いから、昨年読んでいた梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』にしたいと思います。 こちらの本はこの手の新書の古典中の古典、岩波新書に『知的生産の技術』あり、と言っても過言…

【読書感想】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』――デジタル社会に取り残された脳髄。人類はスマホに適応できたのか。

はじめに スマホに人類の脳の進化は追いついているのか。本書が全編を通して投げかけている疑問はまさしくこれだ。「スマホ脳」と言うタイトルから、私はてっきりスマホを中心としたデジタル社会の誕生によって、使用者の脳はどのように変化してきたか、そし…

【読書感想】『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』―― 指摘は納得。ただし本書の教えが活きる場所は教育現場に限られる気も。

はじめに 余程自分に自信があるか、他人に興味がないか、そもそも「正しさ」なんてものを信じていない人でもない限り、本読みと呼ばれる人は一度ならず自分自身の「読み」に不安を感じたことがあると思う。 それは小説しか読まない人であっても例外ではなく…

【読書感想】菅谷明子『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告―』――「知」のインフラとしての図書館。そのあるべき姿。

はじめに このご時世と言うこともあって、図書館に行く頻度がめっきり減った。自分事で恐縮ではあるが、ここ最近で言えば、必要に駆られて国会図書館並びに都立中央図書館に足を運んだくらいだと思う。 行くことになるまで知らなかったが、最近ではコロナ対…

読書:王銘琬『棋士とAI――アルファ碁から始まった未来』――プロ棋士によるAI時代の人間像。

昨年末に発表されたイ・セドル氏の引退は、末端の囲碁ファンである私*1にとっても一つの時代の終わりを感じさせられる出来事でした。彼は辞表を提出した際のインタビューにおいて、越えられない壁として立ちはだかるAIの存在について触れたようです。 Google…

【読書感想】エリック・ジッリ『洞窟探検入門』――洞窟の種類からアタック方法、果ては生存戦略までお手の物な入門書(?)。洞窟に挑む際は是非。

〇〇入門的な本はそれこそ星の数ほどありますが、それらを大別するならば、入門書は教養系とハウツー系の二つの系統に分けることができると思います。ざっとAmazonの書籍ジャンルで「入門」と調べてみた限りでは、教養系では哲学を中心とした思想系が強く、…