はじめに
今年の初めに掲げた10個の抱負の一つに「資格を取る」というものがありました。言ったからにはやろうと決意を固め、まずは小手調べに色彩検定3級を受験。
先日受験結果を確認したところ、無事合格していましたので、今回は検定合格にかかった費用や時間、具体的な勉強方法などについて書いていきたいと思います。
合格発表から二週間ほど経ち、ちょっと出遅れた感のある記事ではありますが、少しでも参考になれば嬉しいです。
そもそも色彩検定とは
そもそも色彩検定とは何なのか。名前を聞いたことがある人もいるかもしれません。こちらは文部省後援の色彩にまつわる知識を問う検定でして、色についての知識や配色技法が問われる試験となっています。
開催は6月の夏期と11月の冬期で年二回。3級と2級は筆記試験のみ。1級は更に実技試験があり、これらの級に加えて、UC級というユニバーサルデザインなどの知識を問われる級が存在しています。
3級・2級の合格率が共に70%以上と、数ある資格・検定の中でも簡単な部類だと言えるでしょう。また、この資格を持っていて就職・転職に大きく役立つ、ということも恐らくはありません。
ただ、この知識がしっかりと身についていれば、ファッション業界やインテリア業界などにおいて、役立てられる場面はきっとあるはずですし、一番難しい1級を取れば、色彩講師やカラーコーディネーターといった道も開かれるようです。
自己紹介
具体的な勉強方法などの話に入る前に、まずは試験を受けた私のプロフィールを。小学校の高学年からの歴史好きが高じて、それ以来は根っからの文系人間。資格・検定の類は、先に挙げた記事にも書いた通り、高校受験時に受験した漢検のみでした。
ただ、何かを学ぶこと自体は嫌いではなく、学生時代、勉強は卑下するほど苦手でもありませんでした。ただしそれも今は昔。
大学時代は辛うじて、卒業以降は机に向かって勉強するなどという時間も作らず意欲もない人生を送ってきました。また、芸術センスも皆無で、色彩検定で勉強するような内容にはほぼほぼノータッチの人生を送ってきた人間です。
色彩検定を受けようと思ったわけ
そのような人間が何故このような資格を受けようと思ったかと言えば、理由は単純。色の使い方や組み合わせ方について、基本から学んでみたかったからに他なりません
ブログなどでレイアウトを作る際の色の組み合わせ、パワポの資料の色使いなど、配色に関して悩む経験がこれまで度々ありました。また、色や配色について知ることで、芸術や美術、あるいは「物を見る」ということ自体においても、新しい発見があるかと思ったのも、勉強をしようと思ったきっかけの一つです。
実際、色彩検定の公式ホームページにも書かれている通り、私たちは「色」について知っているようで、実は知りません。
「色」は世の中のあらゆるものに使われ、私達は常にその影響を受けています。にもかかわらず、一般的な学習課程で色について理論的・体系的な知識を得られる機会はあまりありません。専門的な教育を受けない限り、色についての知識や利用は個人の感覚や経験則に頼らざるを得ないのです(色彩検定HPより引用)。
色の見え方、色の仕組み、色の配色などなど、色について基礎から学びたいという意味も込めて、今回は2級からではなく3級から受験してみました。
ちなみに、最初に受ける資格・検定として、難しいものに挑戦して挫折するより、難易度を低くして敷居を下げる、という理由も実はありました。受験タイミングが年2回と限られており、いつでも受けられるわけではないというのも理由の一つです。
費用・時間・勉強方法
受験結果
受験結果は、200点満点中の194点。各2点配点のためミスは3問。140点が合格ラインとのことなので、今回は余裕を持っての合格となりました。
受けた時点で受かった手応えはあったものの、自信のない問題は3問以上あったため結果としてはかなりの上振れ。過去問でも170点代までしか取れなかったので、この結果を見た時は流石に嬉しかったですね。
ただ、過去問と比べると今回の問題が易化していた印象を受けたのも事実。2024年夏期は、比較的点数の取りやすかった回ではないかと思います。
費用
色彩検定3級にかかった費用は総額12555円+交通費。内訳はこのような感じです。
- 公式テキスト3級 ¥2420
- 配色カード ¥935(現在Amazonでは¥1350)
- 2023年度過去問 ¥1100
- 2022年度過去問 ¥1100
- 受験費用 ¥7000
- 総計 ¥12555
受験費用と交通費は別として少なくとも「公式テキスト」と、公式テキストを進める上で必要となる「配色カード」は必須。逆に言えば、試験で出る内容は公式テキストからしか出ないので、公式以外の市販の問題集などを別途買う必要は感じませんでした。
削るところを削るにしても、受験費用を含めて一万円はかかると考えて良いでしょう。
ただ、実際にどのような問題を解かされるか知っておく意味でも、過去問は1年分くらい買っておいて損はないと思います。
過去問は一年度千円ほどながら、夏期と冬期の過去問と、同じ形式の練習問題が入っており、一冊で4回問題が解けると思えば中々お得です。解説も充実しています。
私は、新宿のSOMPO美術館で「北欧の神秘展」を見るついでに、紀伊国屋書店で実物を見てから過去問を買いました。
また、公式ホームページでも出題例などは紹介されているので、過去問を買う前に参考として見ておくのもありかも知れません。
検定出題例3級 | 色彩検定とは | 色彩検定協会/カラーコーディネーター
勉強時間
二週間ほど前から勉強を開始。勉強できない日もあったり、テキスト読み切ってからはサボっていたりとしていましたが、一日0時間~2時間程度勉強しました。具体的な時間配分は、1週間で公式テキストを読み切り、残りは過去問題集と復習を並行。
過去問を解く時間や配色カードの切り張りなどの作業を抜きにして、総勉強時間は十時間ほどでした。長くて1か月、駆け込みなら1週間から2週間あれば十分行ける試験内容だと思います。
ただし一つ注意点を。公式テキストを進める上で、配色カードを切ってテキスト後ろの色相環に張り付ける必要があるのですが、この作業は結構時間がかかるので、それを見越して勉強は行った方が良いです。まじで。
ちなみに自分はこの貼り付け作業に2時間ほどかかりました。ただ、実際に切り張りして色相環を作ったことで、色の関係がイメージしやすくなりました。これについては面倒くさがらずやるのが吉です。
勉強方法
合格だけを目指すなら、過去問を見て傾向を把握してから、テキストを読み進めた方が無駄な労力はかからないかも知れません。明らかに出題頻度が高い個所と低い個所があるので。
ただ、今回は色や配色などの知識を身に着けることが目的だったため、合格だけを目標とした効率的な勉強はあえてしていません。
勉強方法
では、具体的に上述の勉強時間何をしていたかと言えば、公式テキストを読みつつ、暗記したい箇所を受験でお馴染みの暗記用ペンでラインを引き、覚えたい用語をノートに書き取る。これだけです。
私は赤ペンで引くのが好きなので、赤ペンと緑シートの組み合わせです。よくよく考えてみれば、これも混色の原理を使っているわけですね。色は好みだと思いますが、最近では青いチェックペンも出ているようで、ちょっと使ってみたくなりました。
色ペン片手にテキストを読み切った後は、過去問を解いてみて間違えた個所や理解に不足があった箇所を読み直し、出題傾向やミスの傾向を掴みます。そして、忘れやすい個所を把握し、テスト前にチェックシートを使いつつ読み直したりしていました。
ここの数値は細かいし出ないだろう、と高を括っていたら普通に出たりするので、過去問に触れておくのはとても大事だと思います。分光分布の形とか。
結局、過去問についは2022年の夏期と冬期、試験会場へ向かう車内で解いた2023年夏期の計3回しか解けませんでしたが、数を解いておくに越したことはありません。当たり前ですが笑
ここだけは覚えておけ3選
もちろん、テキストの全単元を覚えておくに越したことはありません。ただ、個人的にここを押さえておけば点数が伸びる得点源になると思った箇所が3つあったので、ちょっとした共有も兼ねて、書いておこうと思います。
- カラートーンの位置関係と名前
- 色相環の位置
- 分光分布
騙されたと思って、この3つは優先して覚えておくことをお勧めします。
と言うのも、色彩検定の問題は基本的に各二点配点。つまり、一問一答の知識をいくら詰め込んだとしても、一つの知識が賄える点数は2点に過ぎません。
例えば、巻末で覚える対象となっている色の名前を全部覚えたとしても、試験では5問しか出ないので最大十点しか稼げません。
それに対し、上に挙げた3つの項目は、複数の問題に渡って解く材料となるため、確実な得点源となります。トーンの配置や色相環は、直接解答を問われた問題に答える際はもちろん、他の問題を解く際にも応用すれば活かせたりします。
例えば、具体的にトーンの位置関係を問われる問題もあれば、特定のトーンの性質を問われる問題もあったりするわけです。トーンの位置関係を押さえておけば、これらを一気にカバーできます。
分光分布についても、自然光やLEDの違いを問う問題は頻出なので、覚えておくと複数の問いを押さえられて便利です。この点で言えば、視覚の仕組みなども似たところはあると思います。高校生物などでも触れている単元ではありますが、もし覚えていない場合はぜひ覚えて会場に向かいましょう。
杆体細胞と錐体細胞だけでも良いので。と、偉そうに書きつつ、私も勉強するまでどっちがどっちだか覚えていませんでした笑
勉強のお供
僕はVtuberとかを見たりするタイプのオタクなんですが、それもあって勉強のお供に聞いていたのは、にじさんじ所属のVtuber、家長むぎさんの勉強配信でした。
こちらは勉強-休憩を交互に繰り返すタイプの配信。「study with me」とYouTubeで調べたら、このような配信をしている方はたくさん見つかるはずです。
彼女の場合は定期的、しかも長いこと勉強配信をしているのでアーカイブも多く、長時間配信も多いため、勉強中は非常に助かりました。
勉強が続かないという方は、彼女の動画に限らず、お供の動画や音楽などを決めて勉強するのは良いと思います。これを聞いている時は勉強しよう、みたいな切り替えができたりするので。
ちなみに動画と言えば、色彩検定公式からは、公式テキストの副教材として、梶裕貴さんや江口拓也さん、諏訪部順一さんなど、豪華声優陣を起用したオリジナル動画も公開されたりしているようです。
受験者の傾向からか、イケメン男性教師が教えてくれるタイプの動画のようですが、ちょっと面白そうで気になっています。3級だけでなく2級・UC級の動画も公開されているようなので、それらの級を受けてみる際は活用してみたいところです。
実は、受かった後にこの動画の存在を知りました。
個人的感想
中学生の理科を思い出すかのような内容から始まり、視覚の仕組みとか光の原理とかは高校の理科っぽさもあり懐かしかったです。
また、普段使っているパソコンやプリンターなどでもお馴染みの、加法混色や減法混色などは、知っているようでその実、原理がよく分かっていなかったこともあり、とても興味深く、非常に勉強になりました。
中でも、個人的に面白かったのは、併置加法混色の項目にあったキリスト教におけるモザイク画の話。なんでも、色を混ぜるというのがキリスト教の原理からすると良くないと考えられていたこともあり、併置混色によるモザイクが発展したのだとか。
また、色相環における補色の話なども、知っているようで知らなかったのでとてもためになりました。色彩検定の勉強をした結果、街中を歩く際や、広告を見る際の色の見え方が変わってきたように思います。
おわりに、あるいは今後の資格・検定受験の話
終わってみれば、受験日へ向けて勉強する、という行為自体が楽しかったので、これに気づけたことは大きな収穫でした。
次は順当にいけば色彩検定2級ではあるものの、もう少し手応えのある検定や資格の勉強をしてみたい、という気持ちも同時にあったりします。
興味関心で言えばFPや簿記、中小企業診断士辺り。あと、将来的には過去の苦手意識を払拭するために数検辺りも考えています。語学なんかも勉強できればと、夢は語り始めれば切りがありませんが、まずは現実的なところからですね。
取り合えずは11月の色彩検定2級を当面の目標に据えつつ、その他の候補についても調べていきたいと思います。合格・不合格、何を受験するかに関わらず、今後もブログのネタにしていきたいところです。
では、長々と書いてきましたが、今回はこの辺で。