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映画:IMAXで『ブレードランナー ファイナル・カット』――最高の映画を劇場で観られる歓び

この記念すべき年*1に『ブレードランナー』を劇場で観られる。そのことを知ったのは二か月ほど前のことで、時期が来たら行くだろうと思いつつ、思い出したのは公開終了も間近に迫ったつい先日のことでした。


映画『ブレードランナー ファイナル・カット』予告編【HD】2019年9月6日(金)IMAX2週間限定公開

調べたところ、時はまさに公開終了数日前。ちょうど時間もあったので、善は急げと調べたその足で行ってみることに。いくつか上映館がある中で、時間的にぴったりだったのは109シネマズ木場。109シネマズに馴染みがないうえに、木場ってどこだろうと言うお上りさんぶりを発揮しつつ、スマホ片手に乗り継ぎ、ようやく木場に到着。 

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109シネマズ木場はイトーヨーカドー木場店3Fに。

少し早く着いてしまったため、二階にあった紀伊國屋で時間と金を潰しつつ、時間になったので劇場へ。流石にもう残っていないだろうと思っていたポスターが貰えたのは良かったものの、輪ゴム等もなく直で渡されたのには少し面食らってしまいましたが、それはまた別の話。

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最高のポスタービジュアル。

観客は自分を含め20人前後。300人ほどのキャパを持つ劇場にこの人数と言うのはいささか寂しく、何よりも『ブレードランナー』と言う映画に人が集まらないことへのショックを感じましたが、場所や時間、そもそもリバイバル的な上映であることを考えれば仕方がないのだと一人納得し座席へ。

IMAXで映画を観たのが初めてだったこともあり、予告の時点でその音圧に圧倒されてしまいました。最初は少しうるさいくらいに感じていたんですが、映画が始まってしまうとそれも気にならなくなり、画面の大きさや、40年近く前の作品とは思えない映像美*2と相まって、素晴らしい臨場感を生み出していたと思います。

映画自体もやはり素晴らしく、何度見ても良いなと思える作品です。印象的な音楽と共に画面に浮かび上がるロゴの時点でテンションが上がった時は、やはり自分はこの映画が好きなんだと改めて実感させられました。その後もテンションは衰えることを知らず、屋台のシーンには思わずにやけ、タイレル社に赴く一連のシークエンスで息を呑み、ロイの最期に涙ぐむ。逃亡シーンが蛇足だと思っていた身にとっては、ディレクターズ・カット以降の終わり方がやはりしっくりきますね。

実は、最初に見たのが劇場公開版だったからか、はたまたディックの原作に引っ張られ過ぎていたのか、この映画の第一印象はお世辞にも良いものだとは言えませんでした。カルト的ともいえる人気の高さもまた評価を下げる原因だったのかも知れません。

ただ初見の時から既に惹かれるものがあったのは事実で、観るたびにその魅力に気付いてきた結果、今となってはすっかり本作の虜となってしまいました。ハードボイルドなストーリーに魅力的な世界観、素晴らしい音楽と演出……どこをとっても文句の付けようがなく*3、今では最高の映画の一つだと思っています。

見る度に新たな発見があり、色褪せることのない『ブレードランナー』、公開は今月の19日までなので、興味のある方は是非劇場にてこの素晴らしさを体感してみて欲しいと思います。

この映画について語りたいことはまだまだありますが、これ以上まとまりを失っても困るので、今回はこの辺で。

Blade Runner: The Final Cut / アメリカ、香港、イギリス (1982/2007)

▶監督:リドリー・スコット

▶脚本:ハンプトン・フィンチャー、デヴィッド・ピープルズ

▶原作:フィリップ・K・ディック

▶制作:マイケル・ディーリー、チャールズ・デ・ロージリカ

▶製作総指揮:ブライアン・ケリー、ハンプトン・ファンチャー

▶撮影:ジョーダン・クローネンウェス

▶デザイン:シド・ミード

▶オリジナル音楽:ヴァンゲリス

▶キャスト:

ハリソン・フォード:リック・デカード

ルトガー・ハウアー:ロイ・バッティ

ショーン・ヤング:レイチェル

エドワード・ジェームズ・オルモス:ガフ

M・エメリット・ウォルシュ:ハリー・ブライアント

ダリル・ハンナ:プリス・ストラットン

ウィリアム・サンダースン:J・F・セバスチャン

ブライオン・ジェームズ:リオン・コワルスキー

ジョー・ターケル:エルドン・タイレル

ジョアンナ・キャシディ:ゾーラ・サロメ

おまけ

映画を観終わった後、同じフロアにあったそじ坊でにしんそばを食べました。映画通りうどんにしようかとも思ったんですが、温かい麺類なら蕎麦の気分だったことと、デッカードが店主と揉めていた料理*4のことが頭を過ぎり、にしんそばに決定。

実はにしんそばを食べるのは初めてで、どんなものかと思って食べてみたんですが、これがまた美味しかったです。甘めの味付けのにしんと蕎麦の相性が抜群で、これはしばらくはまってしまうかも知れません。

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ポスターと購入物二点。

ヘレン・マクロイは名前しか知らず読んだことがなかったのと、タイトルに惹かれたこともあり購入。『インスマスの影』については、クトゥルフ関係の書籍と言うだけで買いなうえに、南條竹則さんによる編訳と言うことで購入を決定。この辺りの感想もいつか書ければ良いなと思っています。

あとしょうもない話なのでここに書きますが、逃げるゾーラがデッカードに撃たれショーケースを突き破るシーンで、ふと「映画史上最悪の死亡シーン」なる例の映像が頭を過ぎり、思わず笑ってしまいそうになったことをここに懺悔します。

では今回はこの辺で。

*1:ブレードランナー』の舞台は2019年11月。

*2:ただ映像の粗さがあったのは事実。

*3:ただしユニコーンの映像だけは少し納得がいかない。

*4:映画内ではカットされたこの料理、特典映像などを見ると分かるが、小ぶりの魚が丸ごとご飯の上に乗った謎の丼ものである。デッカードは魚を4匹要求し、店主は2匹で十分だと促していたのだ。