はじめに
実は三十云年の人生において、任天堂の作品、とりわけマリオシリーズには縁遠い人生を送ってきました。同じ境遇の方なら知っての通り、親がゲームをするわけでもなく兄弟もいない一人っ子環境では、自ずと遊べるゲームの数には限りがあります。
ストーリーや世界観に浸りたい気持ちの強かった子供の頃の私は、誕生日やクリスマスのプレゼントの枠をアクションゲームで消費することはせず、もっぱらねだったのはロールプレイングゲームなど。マリオが関わっているゲームで持っていたのは、スマブラとマリオカートくらいでした。
マリパなどを友人の家で遊んだことはあったものの、マリオに懐かしさを感じる経験もなければ、マリオが何たるかを語ることもできません。
だからこそ、この世界的大ヒット作『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が公開され、その後アマプラで配信された時でさえも、興味を持ちながら、マリオ知らなさ故に距離を置いてしまっていました。
で、一年も経った今この時にあえてこれを見ようと思ったかと言えば、答えは単純で人に面白いと勧められたから。しかも、マリオのマの字も知らなそうな人からの勧めだったこともあり、俄然興味を持ったわけです。
今回は、同じくマリオのマの字も知らないような男による『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想です。元ネタとかを語ったりはできないので、その辺はご注意を。いつも以上にただの感想です。ちなみに観たのは日本語吹き替え版となります。
あらすじ
ブルックリンで配管工を営むマリオとルイージの兄弟。会社を設立するも上手くいかない二人はある日、ひょんなことから別世界へと飛ばされてしまう。
その世界では、クッパと呼ばれる存在が他国を侵略し己の野望を実現させようとしていた。異世界に飛ばされた際に弟とはぐれてしまった兄・マリオは、ルイージがクッパの支配する地に迷い込んでしまったことを知る。
弟を助けるべく、ピーチ姫と共に立ち上がるマリオ。彼はクッパの魔の手から弟を取り返し、世界を救うことができるのか。
感想
まず、この映画は楽しい。頭を空っぽにして娯楽を浴びるのに、これほど打って付けの作品はないでしょう。CG特有のアニメーションはぬるぬると動き、アクションもスタイリッシュ。
カット割りも面白く、時にはゲームを模した横スクロール風になったりと、素人目に見ても分かるオマージュが随所にあって、視覚的に楽しめます。
具体的に言えば、まずはキノピオに案内され城へと向かうシーン。マリオらしいアクションギミックにワクワクさせられ、自然と映画への期待感が高まります。キノコ王国の住民たちの生活が垣間見えるのも楽しいポイント。
そして、キノコを食べてマリオが挑む特訓はゲームらしさに溢れたマリオらしいアクションの連続で、原作をあまりプレイしていなくても楽しめました。ボニー・タイラーの曲も最高です。
全体を通してゲームらしい色合いも目に楽しく、雰囲気が良い。脚本のテンポ感も相まって、とてもスピーディで楽しい作品だと思います。
また、作中で使われる音楽や効果音、台詞の端々に原作ゲームらしさが響いており、耳でも楽しい作品に仕上がっています。
さきほど書いたボニー・タイラーだけでなく、原作とは無関係ながらマッチした楽曲や当然使われている原作のアレンジなど、どれもテンションの上がる楽曲ばかり。スマブラなんかじゃネタにされがちな「モンキーラップ」ですが、地味に好きな曲なので、映画での使われ方はテンションぶち上がりでした笑
楽しいという気持ちが最後まで失速せずにいるのは、視覚への刺激だけでなく、これら聴覚への刺激あってこそでしょう。
また、ゲームでは人柄などがあまり見えて来ないキャラクターたちのキャラもしっかり立っていて、観終わってみればどのキャラに対しても自然と愛着が沸いています。ちなみに、自分はマリオとドンキーの関係性が特に好きで、レインボーロードから落ちてからのやり取りが好みでした。
おわりに
普段はあまり観ない映画のタイプだったこともあり、柄にもなく心から楽しんでしまいました。いつになく小学生並みの感想になってしまいましたが、たまには良いかと、公開してみることとします。
これを機に任天堂のゲームを遊んでみたいなと思ったところで今回はこの辺で。取り合えず、Switchで配信されているアーカイブなどで何かないか探してみたいと思います。