たぶん個人的な詩情

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【漫画感想】『サメゾン サメとゾンビとなんでも屋①』――日本縦断を目指す少年と少女に襲いかかるはご当地サメゾンビ!?なノンストップギャグ漫画【サメ企画③】

サメゾン サメとゾンビとなんでも屋(1) (てんとう虫コミックススペシャル)

はじめに

今や月末にサメ関連の感想を書くだけのブログになっていることに一抹の不安を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は何とか元気にやっていますが、どうにもパソコンに向かう時間が取れず、このような更新頻度となっております。時間は作るもの、というのはもっともな言葉ながら、正論だけでは世の中救われません。正論は強者の論理なのです。

と、まあそんな愚痴めいた言葉は置いておいて、今回はサメ企画第三回、サメ映画ならぬサメ漫画の感想です。

bine-tsu.com

実はこのブログ、サメに限らず漫画の感想を書くのが実は初。漫画が嫌い、あるいは読まないというわけではなく、単に一巻単位で感想を書くか、シリーズ、あるいはエピソード単位で感想を書くかと悩んでいる内に、気付けば月日だけが経過していました。

で、そんな私がどうしていきなり漫画の感想を書こうと思ったかと言えば、6月に感想を書くサメ作品に出合えていなかったため。普段ならB級映画を雑に見て消化してしまいがちではありますが、前回映画の感想を書いてしまったため、続けて映画の感想は書けません。そう、自分の設けたサメ企画のルールが自分の首を絞め始めたわけです。

小説なんか探して読む時間はないので、急遽「サメ 漫画」と調べてヒットし、面白そうだと思って買ってみたのが今回感想を書いていくサメ漫画、『サメゾン』です。

あらすじ

日本が滅亡して3年。サメゾンビが全国に溢れる中、肉一つでどんな依頼の解決も請け負う何でも屋の少年カルビは、母と生き別れた迷子の少女・リンと出会う。肉も持たず着の身着のまま、沖縄から北海道を目指そうとする彼女を捨て置けなかった彼は、毎日肉を狩ることを条件に彼女と契約を結ぶ。スタート地点は沖縄。ゴールは北海道。少年と少女の日本縦断サメ紀行がいま始まる。

感想

掲載紙は『週刊コロコロコミック』。この漫画を読んで初めて知ったんですが、どうもこれはコロコロの名を冠したWebコミックサイトのようで、子ども向けの漫画はもちろん、いつの間にやら廃刊していた大人向けコロコロコミック、『コロコロアニキ』の作品も引き続きこちらで連載されたりしているようです。

で、本作は表紙のインパクトに反してギャグが十割を占める真正のギャグマンガとなっております。内容も確認せずに購入したため、最初はちょっと失敗したかなと後悔しそうになったたんですが、このブログはリミットが迫っているとはいえ、つまらないと思った作品の感想は書きません。

確かに、この作品はギャグマンガとは言え物凄く笑えるわけではないですし、万人にお勧めできるような作品でもありません。絶対確実に人を選びます。ただ何とも言えない吸引力と言いますか、読み始めると読んでしまう妙な魅力があるんですよね。

ストーリーはあってないようなものですし、主人公のカルビは最強と言っても過言ではないほど強いため、道中でくわすサメとのバトルには緊張感のきの字もありません。

では本作の何が面白いのかと言えば、このどこか懐かしい牧歌的なギャグ時空の雰囲気と、各話に登場する「ご当地サメゾンビ」の存在に他なりません。

サメ企画と題している以上、ここでこれに触れないわけにはいかないでしょう。このご当地サメの概念はちょっとした発明と言ってもいいでしょう。この漫画はただサメとゾンビをくっ付けるだけでは満足しません。

サメゾンビなのだから噛まれた人がサメ化するのは当然(?)として、新たに生まれたサメゾンビには噛まれた人々の属性も加えられてしまいます。鹿児島の砂風呂で噛まれた人は砂の中を自由に行き来するサンドサメゾンビに。福岡にて成人式の日に噛まれた人々はヤンキーサメゾンビ、と言った具合に。

つまり作者はゾンビを増殖の、サメをバリエーション創出の理由付けにしてしまっているわけです。これはここまでサメ映画が奔放な発展をしてきたことの証明であり、ありとあらゆるサメの存在が許されているからこそできる荒業でしょう。この馬鹿馬鹿しさは愛すべき馬鹿馬鹿しさと言って良く、沖縄スタートの北海道ゴールという設定も最高によくできていると思わず感心してしまいます。

もちろん、サメへの特有の扱いだけでなく、ギャグマンガとしても面白いこの漫画、現在3巻まで発売されているわけでして、果たしてこの後どのような進化を遂げているのか気になって仕方がありません。

おわりに

というわけで、今回は週刊コロコロコミックより『サメゾン』の感想でした。久しぶりのギャグマンガ、しかもコロコロらしい作品とあって、ものすごく新鮮な気持ちで読むことが出来てとても良かったです。

続きについても読んでみて、面白ければ感想を書いてみたいと思っています。確約は出来ませんし、つまらなかったらフェードアウトさせてもらいますが。と、時間がないですし滅茶苦茶眠いので、それらしい締め方が出来そうにないことを断ったうえで、今回はこの辺で、と力業で終わらせようと思います。

ではでは。


▶サメゾン サメとゾンビとなんでも屋
▶作者:山内コウタロウ
▶発行所:小学館
▶発行日:2023年1月1日初版第一刷発行