たぶん個人的な詩情

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【今週のお題】行きたい場所はどこだろか。南極、フランス、山椒魚。

Canvaで「南極 フランス サンショウウオ」で生成したイラスト。

はじめに

今週のお題は「行きたい場所」とのこと。「行きたい」と思う場所は数あれど、実行に移したことはほとんどなく、一人旅の経験もこれまでなし。

旅行になんて行くならば、1日くらいはホテルでゆっくり過ごしていたい。旅行先を回る1日とホテルで1日。つまりは2日。ゆえに2泊はしたいのだけど、2泊3日の旅行に行くなら、体を休める1日も帰宅後に欲しい。

つまりは4日の休みが要る。

とは言え、なけなしの長期休暇の4日を旅行に使おうものなら、他のことはなんにもできない。もったいない。そう思ってしまう。

だから私の「行きたい」欲は露と消える。そんな簡単に行きたい気持ちがなくなるならそれまでのこと、と言われればまさにその通り。ぐうの音も出ない正論だ。

とは言え、とは言えだ。

実行に移せなくとも「行きたい場所」は確かにある。

今日は風の吹くまま気の向くまま、行きたい場所についてつらつらと書いて行こうと思う。挙げれば切りがないので、今回は3つに絞って書いて行こうと思う。

行きたい場所3選

南極

南極に強く興味を持ったきっかけは、恐らくラヴクラフトの『狂気の山脈にて』を読んだからだと思う。南極探検隊が極地にて遭遇する恐怖を描き出した傑作中編であり、全集を読み切った今でも、かなり好きな一編となっている。

それが理由というわけではないが、その後も南極探検の本を読んだりもしたし、南極が舞台の映画『遊星からの物体Ⅹ』を観たりもした。南極を目指す女子高生たちを主人公とした傑作アニメ、『宇宙よりも遠い場所』を観て、より一層南極への気持ちが高まった気もする。

南極。氷に閉ざされた極寒の地。

ただ生きているだけでは、絶対に足を踏み入れることのない土地。ロマンに溢れた、宇宙よりも遠い場所。行ってみたくないわけがない。きっと、私の人生観を変えてしまうほどの衝撃があることだろう。聖地巡礼的な意味でも、是非とも行ってみたい。

ただ、実際に行こうとすると値段が張る。調べてみた限りでは、少なくとも300万円はかかる。働いて貯めて、まったく不可能な金額ではないが、それだけあれば他のこともできる。その過程で、我慢しないといけないこともたくさんある。

だからきっと、宝くじが当たったり、大富豪の命を偶然にも助けたり、そんな天文学的な出来事が起こらなければ、私が南極に足を踏み入れる行くことはないのだろう。

それでも、行ってみたい気持ちは嘘ではない。行くかどうかは別として。

フランス

実は大学生の頃、フランス語を第二外国語で履修していた。おフランスの格好良さに憧れて選択し、なんとかお情けで単位をもらい卒業した。今では何にも覚えていない。

それでも、未だにフランスへの憧れはある。その気持ちをより強めたのは、にしうら染さんの『フランスふらふら一人旅』という漫画を読んだため。

こちらは、漫画家である著者が、アパルトマンをフランスで借り、パリの生活を満喫すると言う漫画。食材を買って自炊する様子や、美術館でのお役立ち情報などが描かれた楽しい漫画で、フランスでなくとも、海外に行ってみたいと言う人の気持ちに火をつけること請け合いの内容だ。

で、私の場合はフランスの中でも、特に美術館の類に行ってみたい。『ダ・ヴィンチ・コード』を読んで以来かのルーヴル美術館には行ってみたいと思っているし、少しマイナーではあるが、ギュスターヴ・モロー美術館に特に行ってみたいと思っている。

ja.wikipedia.org

モローの絵画はもともと好きだったのだけど、数年前に「知の再発見双書」から出ている下記の本を読んで、より一層興味が出てきている。

彼が実際に住んでいた邸宅に足を踏み入れ、この目で見てみたい。南極に比べれば現実的ではあるものの、最近の物価高や言語の壁もあり、軽い気持ちで行こうとはなれないおフランス

ヨーロッパかぶれの人間ではあるけれど、とりわけフランスに強い憧れがあるのは何故なのか。いまいち理由は分かっていないが、それを確かめる意味でも、行ってみたい気持ちが強い。

上野動物園 両生爬虫類館

南極・フランスと来て、一気に現実味のあるものになってきたが、十数年前から、上野動物園の両生爬虫類館に行ってみたいと思っている。

理由は単純で、オオサンショウウオを見に行ける施設の中で、近場なのが上野であるために他ならない。

オオサンショウウオに興味を持ったのは、確か浪人生活中に読んだチャペックの『山椒魚戦争』がきっかけだった。

この本がオールタイムベストに入るくらい好きな作品だと言うのはもちろんのこと、チャペックが次代の支配者として山椒魚を選んだ理由が、かの存在を間近で見てみたいという理由の大部分を占めている*1

正直、行こうと思えばいつでも行けるが故に、遠のいている場所ではあるのだが、これを書いている内に、行ってみたいと言う気持ちが沸々と湧いてきている。今年の抱負には掲げていないけれど、これを機に、今年中に行くことを目標としたいと思う。

おわりに

あまり旅行欲のようなものはない人間なんだけど、こうして考えてみると、意外と行ってみたい場所があることに気付く。

私は見ての通り(?)のインドア派で、休みの日にも家でだらだらと生活することを是とする人間だ。そのせいか、行って帰ってというのは疲れるので、行ってみたい、よりも住みたいという欲の方が強かったりする。

bine-tsu.com

ただ、行動しなければ何も始まらないし、人生いつまであるかも分からない。そんな気持ちもあって、最近はようやく、普段入らないような飲食店に入ったりと、自分なりの冒険をするようになって来た。

南極とフランスは夢のまた夢だけれど、まずは現実的な選択肢として、上野まで行ってサンショウウオに会ってきたいと思う。行けたら、ブログのネタにもなるし。

と、不純な動機を晒したところで今回はこの辺で。

なお、今回のテーマについての文章を記録がてら引用して終わりにしたいと思う。

暖かくなってきました! 穏やかな気候だと、どこかへ出かけたくなります。気になる場所やまた訪れたい場所についてブログに書いてみると、その気持ちがもっと高まりそうです。今週は「行きたい場所」をテーマに、みなさんのエントリーを募集します。「岩手に行って盛岡三大麺を味わってみたい!」「子どもと公園でお花見したい」「台湾でアツアツの小籠包を食べたい」など、あなたの「行きたい場所」にまつわることを、はてなブログに書いて投稿してください!

*1:チャペックは、かつてサンショウウオの化石が、ノアの洪水で犠牲になった人間の化石だと勘違いされた歴史的事実を踏まえ、人と間違われたことがあるからには、代わりになる資格があるのだと述べている。